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デザインも性能もあきらめない。

空気力学でBEVの開発を支える

エンジニアの歩み

車両性能開発(実験/解析)

車両技術開発部

T.T

2011年の入社以来、空気力学(空力)を軸にキャリアを歩んできた土岐 武也。現在はBEV(バッテリー電気自動車)における空力・風切音の性能開発に携わり、「デザイン性を維持しながら、いかに空気抵抗が少なく静寂性の高いクルマをつくるか」に取り組んでいます。土岐が語る、仕事のやりがいとトヨタで働く魅力とは?

BEVにおいてとくに重要視される、

空力性能・風切音性能の

開発に挑む

私が所属する車両技術開発部の熱流体性能開発室は、その名の通り熱と流体に関する性能についての技術開発・車両開発を担っています。エンジンの排熱や冷却、空調の性能や水の侵入防止、そして私の担当する空力や風切音の性能です。現在はBEVについて、どうすれば空気抵抗や風切音を低減できるか、という課題に取り組んでいます。

空力や風切音性能開発の具体的な流れは、まず航続距離や燃費目標、車両のパッケージング(サイズや乗員の配置の計画)などから空気抵抗値や風切音の目標を設定します。そして目標を達成するために必要な外形の主要な断面形状や車体構造を、企画やデザイン、設計と合意をします。

そこから具体的なデザイン案や床下の設計形状などに対してCFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)を使ったシミュレーションや実車サイズのモデルを使った風洞試験で評価・検討をします。風切音の試験では自分で試作車に乗り込んで性能を確かめることもあります。

最終的にできあがった試作車に対しても工場の生産ラインでの調整まで関わって品質の作り込みを行っています。企画からお客さまの元にクルマが届くまで、私たちの仕事が関わっているんです。

電気で走るBEVでは、1回の充電でどのくらい長く走れるかという航続距離が重視され、さらにエンジンの排熱などによるエネルギーロスがなく走行抵抗に占める空気抵抗の割合が高いため、空気抵抗をいかに減らすかはとても重要な課題です。また、エンジン音がないためお客さまからの静粛性への期待が高く、風切音の低減も求められます。これらを実現するために、設計やデザインと細かな部分まで意見を交わしながら取り組んでいます。

とくに、空力性能はデザインによる影響が大きいので、デザイナーが実現したいクルマの形状と、私たちが実現したい性能を両立できるように心がけています。また、性能開発に関わるエンジニアとしては、「とりあえずこんな試験をやってみよう」ではなく、仮説を立て、それに対してどうアプローチしたらその仮説の検証ができるのか事前にしっかりと考えること。その上で、検証した結果が妥当だったのかそうでなかったのかを解明していくことも大事にしています。

きっかけはレーシングカー。

勝敗に直結する空気力学への

興味がキャリアの軸に

私は子どもの頃からクルマやモノづくりが好きで、小・中学生の時にはゲームの影響でレーシングカーやモータースポーツにも夢中になりました。レーシングカーの世界ではフロアやボデー形状による空力性能が勝敗に直結すると知ったのが空力に興味を持つようになった原点です。

大学では機械工学を専攻し、風力発電の風車のブレードについて研究しました。風力発電でも翼型が発電効率に大きく影響するため、翼周りの空気がどう流れるのか、自作で小型風車をつくって検証して発電効率の高い翼型を開発しました。

就職活動では、クルマや空力に関する仕事がしたいと考え自動車メーカーを中心に志望していました。中でも当時から1,000万台近い生産台数で、世界トップクラスの規模のトヨタであれば、自分の関わった商品がより多くの人に届くと思い、志望しました。また、トヨタは当時F1にも挑戦しWRCなど世界最高峰のレースに参戦しているので、いつか自分のキャリアの中でモータースポーツに関われたら楽しそうだな、という思いもありました。

2011年の入社後空力性能開発の機能に配属となり、技術開発に従事。2013年には設計実習という形で1年間ヤリスのアンダーボデー設計について現場で学びました。

その後、空力機能に戻り、空力操縦安定性能(空力操安)に関わる技術開発を担当。2016年に会社がカンパニー制を導入したタイミングでCVカンパニー(商用車、SUV、バンなどの量産開発を手がけるユニット)に異動し、アルファード・ヴェルファイアやランドクル-ザー、北米向けのタンドラなど大型車の開発を経験しました。

2019年からはbz4X以降のBEVの風切音性能や、新型BEVの空力性能開発に携わり、現在に至ります。

入社当初は風切音や空力操安の技術開発を担当して苦労することもありました。とりわけ操安は、「クルマがこんな動きをすると運転する人は気持ちがいい」など、数値として出にくい性能です。そういった感覚がどんな車両周りの流れから起因しているのか明らかにするために試行錯誤を繰り返しました。

キャリアの最初に技術開発を経験したことで、PDCAを回すためにまず仮説を立て、どうすればそれを検証できるか、何を測定すればいいのか、しっかり考えられるようになりました。他の人があまりやらない試験も多く経験できたことは、現在の性能開発の仕事にも活かせていると思います。

2つの車両開発プロジェクトで

大きく成長

自分の提案が形となる喜び

カンパニー制に移行してからさまざまな車種の開発に携わってきた中で、とくに印象に残っているプロジェクトが2つあります。

1つめは、初めてデザインの構想段階から携わることができたアルファード・ヴェルファイアの車両開発プロジェクトです。このプロジェクトの特徴は、デザインとして4種類の意匠を用意したこと。つまり、1つのプロジェクトでありながら、普段の4倍の仕事を同時に進めなければならないという苦労がありました。

しかも、アルファード・ヴェルファイアというクルマはやや派手めなデザインなので、空力的には非常に不利な形状なのです。そこで、空気抵抗が大きくなりそうな加飾部分やバンパーサイドの形状はミリ単位で変えたり、部品と部品が接続する部分の隙間をできる限り詰めたり、本当に細かな調整を繰り返していきました。

私が「この部分をこうすると空力性能が良くなります」とデザイナーに提案し、その形状がデザインに反映されていく過程を見るのは、この仕事の醍醐味だと感じました。最終的には「かっこいいデザインをしっかり実現したい」という共通の想いでみんなが協力し合い、無事に目標通り市場に投入することができました。発売後は毎日のように街なかを走っているのを見かけ、お客さまにも喜んでいただけたのだと、仕事の成果を実感しました。

2つめは、タンドラという北米で販売している大型ピックアップトラックのプロジェクトです。この車種には、フロントスポイラーが電動で動く機能が搭載されており、私はその製品化に携わりました。

フロントスポイラーとは、空気抵抗を低減するためにバンパー下部に取り付けるパーツですが、タンドラは悪路を走ることも多いクルマで、岩石路などではスポイラーが地面と接触してしまう問題がありました。そこで、舗装路走行時には空力性能を重視して展開し、悪路走行時には格納するという可動式のフロントスポイラーを採用したのです。

また北米では、トレーラーハウスなどの車両を牽引する「トーイング」が珍しくありません。当初は、単独走行時もトーイング時もフロントスポイラーを展開した方が空気抵抗は良いだろうと考えていたのですが、実際に検証してみるとトーイング中はスポイラーを格納した方が空気抵抗が下がることが判明しました。これを受けて、トーイング時には自動的にスポイラーを格納するという制御を、世界で初めてこのプログラムに組み込むことになりました。

開発過程では、最初にスケールモデルでトーイング時の空気抵抗を測定し、その後実車でトレーラーを牽引した状態で風洞試験を実施。結果として、空気抵抗を低減できただけでなく、風の流れもスムーズになって操縦安定性能も向上し、お客さまが安心してトーイングできるクルマになったと思います。

このプロジェクトを通じて、形状や性能を提案するだけでは製品にはならず、「どう制御するか」という部分を設計担当者やサプライヤーと協力しながら進める必要があることを学びました。これまでつくったことがなかった仕様書なども作成し、自分の業務範囲が大きく広がったと感じています。こうした経験や実績が周りから認められ、いろんな方から相談を受けるようになると、自分の成長を実感できて嬉しくなります。

裁量のある環境で、世界有数の

設備でクルマづくりに挑む

トヨタで働く魅力は、若手時代から責任ある仕事を任せてもらえる点だと思います。もちろんただ責任を背負わされるのではなく、OJTで仕事を教えてくれる先輩がいて、相談できる上司がいて、「機能」としてしっかりとサポートしてくれる体制があります。

「できない理由は個人ではなく組織にある」という考え方が浸透しているので、教える側も責任感を持って指導しますし、個人の将来を見据えて着実にスキルアップできるように仕事を配分してくれるのが、とてもありがたいと感じます。

また、規模が大きく世界有数の設備を使ってクルマづくりに取り組めるのも、技術者にとっては大きな魅力です。

トヨタという会社はどんな人に向いているかというと、「他の人の意見を聞くことができ、かつ自分の信念を持った人」だと思います。空力という分野でいうと、目標の空気抵抗の値にたどり着くための答えは1つではありません。クルマの前方で改善してもいいし、後方で改善してもいい。他人の答えや前例にこだわりすぎず、いろいろな角度から答えを見つける、柔軟な発想を持つことも大事だと思います。

昨今は、生成AIや機械学習が注目されていますが、今後はこうした新しい技術もわれわれの武器にしていきたいと考えています。とくに、実験やCFDシミュレーションについては、膨大なデータを処理できるAI技術はかなり役立つと思いますし、人間の発想にないアイデアが出てくるかもしれません。

また、より良い形にたどり着くまでに多くのトライアンドエラーを繰り返すのではなく、過去のデータから最適な検証ができれば、開発はよりスピーディーになるはず。組織としても個人としても、新しいツールをどう活用するべきか考え、より早く正確な答えに辿り着けるような仕事のやり方を提案していきたいですね。

技術的な観点では、私が携わる風切音性能については、お客さまから求められる静寂性のレベルがどんどん高まっています。

かっこいいデザインを維持しながら、空気が車体に当たって発生する音をどう小さくできるか、もしくは外側は多少うるさくても、それを車内に伝えないためにはどういう構造にすればいいか──空気のある地球を走るクルマをつくる上では、今後もずっと考えなければならない課題です。空力を軸にキャリアを積んできた1人として、これに向き合い続け、さらに魅力的なクルマづくりに貢献していきたいと思います。

※ 記載内容は2025年10月時点のものです

車両性能開発(実験/解析)とは

お客様の期待を開発目標に落とし込み、バーチャル・リアル評価を駆使してクルマの安心安全や品質・快適について、各設計と連携しながら、クルマのトータル性能を作り込む

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