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お客さまの

当たり前を守るために。

車両開発における

「信頼性」を技術で支える

車両性能開発(実験/解析)

レクサス車両性能開発部

F.M

2011年にトヨタ自動車(以下、トヨタ)に新卒入社した水澤 文彦。実験分野の5大性能のひとつである「信頼性」に関わる業務に従事し、海外拠点へ出向の際はローカルメンバーの育成を務めるなど、前向きに成長と挑戦を続けてきました。着実に技術を極めていく水澤が、仕事の魅力ややりがいを語ります。

自己満足で終わってはいけない。

プロジェクトのニーズを

的確に捉えることが大切

私は車両技術開発部に所属し、信頼性と呼ばれる分野の実験業務に携わっています。お客さまが期待される使い方の中で故障することなく、安心して使い続けられるクルマを開発するために、新規部品の先行開発や車両開発を支援するための技術を検討しています。

直近では、新型車のサイドドアを担当し、採用予定の新規部品の信頼性の確保に取り組んでいます。耐久性を例に挙げると、「お客さまが使用期間中にドアを何回、どれくらいの強さで開閉するのか」を想定し、試作品を使っての先行評価やCAE(Computer Aided Engineering)と呼ばれるシミュレーション技術を用いて、お客さまの使用に耐えうるドア構造の提案を行います。

部品の基本構成はどの車両も類似していますが、意匠性や新規部品の配置の影響などから構造的に弱くなる箇所が生じることが多く、そうした点を早期に発見し、信頼性を確保できる構造を提案することが私たちの役割です。新規部品が、プロジェクトで採用できるように、車両開発日程に先行して検討を進めています。

また、技術支援に関しては、精度良く車両性能を予測する技術や開発者の負担を減らすための効率化検討などを行っています。

仕事をする上で大切にしているのは、コミュニケーションです。たとえば、すでに技術が確立して、予測精度が90%に達しているものを、95%に高めるよりも、試験車両を作らなければ検証できない分野が残っている場合は、そちらを優先すべきです。自分のしたいことや得意なことを検討して自己満足するのではなく、日々のコミュニケーションを大切にして、車両開発で何に困っているかを把握し、現場を支援する。そうした真摯に向き合う姿勢が欠かせないと感じています。

海外でのマネジメント経験が

自信に変わる。

現地メンバーは主体的に

動けるまでに成長

もともと物理が好きで、身の回りの現象を理論的に説明できるところに興味を持っていたことから、大学では機械工学部を専攻していました。樹脂の変形をCAEで予測する研究を行っており、そこで、実験結果をベースに物がなくてもバーチャル上で検証が行えることに魅力を感じました。

こうした経験をモノづくりにつなげていきたいと思い、2011年に自動車メーカーであるトヨタに入社しました。入社後は、信頼性関係の実験業務に携わりました。最初に担当したのはスペアタイヤの取り付け部分の強度でした。悪路走行時にスペアタイヤが揺れて取付け部が破損するという課題があり、その解決に向けた構造提案にCAEを用いて取り組みました。

その後、複数車種のボデー強度を4年間担当しました。もともとクルマの構造に詳しいタイプではありませんでしたが、いざ始めてみると、CAEを活用することで着目する部位がどのような変形をして壊れるかのイメージがしやすく、すぐにおもしろさを感じるようになりました。

この業務は、バーチャル上で実際に起こっている現象を再現するため、実験データと比較しながら、その解析結果が妥当なのかを検証する必要があります。そのため、試験車両に触れる機会も多く、現地現物で構造や物理現象を深く理解できる点も魅力の1つです。

2015年には、TME(Toyota Motor Europe S.A./N.V.)への出向も経験しました。ほぼ初めての海外経験でしたが、現地のメンバーとコミュニケーションを取りながら、開発課題や市場での品質問題を解決できた経験からグローバルな環境へのハードルが下がったように思います。

TMEでの経験もあり、2021年に現地主体での車両開発体制を立ち上げるために、希望を出してGTMC(Guangzhou Toyota Motor Co., Ltd)へ出向させてもらいました。そこでは信頼性機能の担当を任されるとともに、現地メンバーの育成にも携わることになりました。マネジメント経験がほとんどない中、言語も文化も異なるローカルメンバーの育成には大変苦労しました。

それでも、メンバーの成長を実感できたときは嬉しかったです。最初の頃は指示されたことだけをやっている状態でしたが、徐々に担当者が自ら考えて提案してくれるようになり、最後には主体的に動けるほど成長してくれました。トヨタで経験したことや学んだことを海外で技術伝承できた経験は、大きな自信につながりましたし、今後にも活かしたいと考えています。

提案することがゴールではない。

最適解を導くために

互いの意見をすり合わせていく

私たちが扱うドアやフードといったボデー系の部品は、信頼性だけが高ければ良いわけではありません。信頼性を上げる構造提案を行っても、その形状にすると他の性能が低下してしまうなどの理由から、提案がすんなりと採用されるとは限りません。

たとえば、ドア開発では衝突安全性能との背反関係が起こることがあります。乗員を守るために強度を上げると重い部品が増え、その結果、ドアを閉めたときの衝撃が大きくなって耐久性が低下することもあります。全体のバランスを考慮した提案をしなければならず、そこが難しい点でもあり、やりがいのある点です。

設計者は質量やコスト面など、さまざまな意見を集約しながら最適解を導きます。私たちは提案することがゴールではありませんから、互いの意見をすり合わせるように議論を重ね、具現化できる提案を日々めざしています。

仕事をする上で最もやりがいを感じる瞬間は、背反する性能が出てきたときに、それをメンバーと協力しながら両立できたときです。競合他社に商品力で勝負するためには、デザイン性(意匠性)や他の性能を上げなければならず、苦しいところからのスタートで、スムーズに進まないことも当然ありますが、難しい中でも両立案を出していった結果、自分の考えが織り込まれた製品が世に出ていく。これが仕事の醍醐味であり、大きなモチベーションになっています。

前例がないことに

挑戦するからこそ、

誰でも先駆者のような

存在になれることが魅力

トヨタで働く魅力は、新しい業務に携わる機会が非常に多いことです。ドア1つをとっても新規のアイテムが続々と入ってきますし、車両を見てもたくさんの新しい技術が導入されています。その中で、工夫しながら自分の色が出せるところがトヨタの良さだと思います。

風土に関しても、若手のうちから自らのアイデアを提案できる環境があります。新規部品の採用や、従来から大きく構造が変わることも珍しくないため、誰もやったことがないものに挑戦する機会が多く、年齢に限らず、社内で一番詳しい先駆者のような存在になれるチャンスがあるのも魅力だと思います。

前例がない業務に取り組む上では、自己研鑽も欠かせませんが、社内には豊富な知見を持っているメンバーがたくさんいますし、オンデマンド教材もあるため、わからないことを聞いたり、学べたりする環境があり、1から独学で学ばなくてもベースの部分を社内で効率良く学べる点も魅力だと感じています。

信頼性関係の実験業務には14年間従事していますが、お客さまのクルマの使い方は日々変わってきますし、新しい技術や部品も続々と採用されるため、日々新鮮な経験をすることができます。今後も、お客さまの期待に応えられるように、新しいことへ挑戦を続けていきたいです。

※ 記載内容は2025年10月時点のものです

車両性能開発(実験/解析)とは

お客様の期待を開発目標に落とし込み、バーチャル・リアル評価を駆使してクルマの安心安全や品質・快適について、各設計と連携しながら、クルマのトータル性能を作り込む

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