
未来の自動車業界を。
広い視野で考える
AI実装にも挑戦する
半導体技術者の戦略的思考
車両電子アーキテクチャ企画開発
電子プラットフォーム開発部
H.N

未来の自動車業界を。
広い視野で考える
AI実装にも挑戦する
半導体技術者の戦略的思考
車両電子アーキテクチャ企画開発
電子プラットフォーム開発部
H.N
地元・韓国の半導体メーカーで活躍後、日本の大学で学位取得を経て、2013年に新卒入社した羅 炯竣。将来の自動車開発に必要となる高性能半導体の仕様検討・策定、実装検証など幅広い役割を担っています。入社から12年、半導体に関わるさまざまな業務に携わってきた羅が、トヨタの強みや魅力を存分に語ります。
時流を先読みし、
ワンチームで挑む。
数年先を見据えた
自動車半導体戦略の最前線

私は、電子システムの開発部署で半導体の企画と戦略を司るチームに所属しております。当チームには主に2つの重要なミッションがあります。1つめは高性能半導体SoC(System on a Chip)の先行開発、2つめは半導体BCP戦略の策定です。車の性能を左右する半導体の企画、先行開発を行うと共に、数年前に発生した半導体不足による自動車生産への影響を踏まえ、継続的にビジネスを維持できる体制・仕組みづくりにも力を入れています。
近年、自動車業界ではSDV(Software Defined Vehicle)が注目されています。SDVでは、クルマを買った時のままではなく、機能を継続的にアップデートしたり、追加したりすることで一人ひとりの好みに合わせた進化が可能になります。このSDVを実現する上で重要になるのが、さまざまな情報処理を1つのチップに集約したSoCです。
SoCは開発に長い時間を要するため、車両の量産開発の前に企画や仕様検討、先行開発を行う必要があります。私たちは将来の知能化の進化を予測して、必要となるSoCの仕様を検討・策定し、実装・検証を行っています。現在は自動運転やコックピット(ユーザーインターフェース)の機能を実現するために必要なSoCの要件定義を担当しています。
このプロジェクトにはトヨタ自動車のメンバーだけでなく、グループ会社や世界有数の取引先さまなど多様なステークホルダーが関わっています。OEM、Tier1、ソフトウェア会社の方など、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが集まっており、ダイバーシティに富んだ環境で互いに切磋琢磨できる環境が魅力です。
このような環境で仕事をする上で、私が日々心がけていることが2つあります。1つは時流に先んじて考え、行動することです。目先のことだけにとらわれず常に新しい技術や考え方を学び、時代の変化やニーズを予測しながら、将来の自動車業界全体の姿を広い視野で考えるよう意識しています。また、行動することや自分の手を動かすことを大切にしており、最近では、近年注目を集めているAI実装などの新しい分野にも積極的にチャレンジしています。
もう1つはトヨタだけではなく、プロジェクトに関わるすべての企業の力をあわせて、ワンチームとして成果が最大になるように努力することです。SoCの先行開発はグループ会社や取引先の方など、プロジェクトに関わるステークホルダーの協力なくしては、目標を達成することは困難です。
ですから、グループ会社や取引先の方と密なコミュニケーションを取り、信頼関係を構築すると共に各会社の強み、得意分野を活かすためにはどうすべきか、より高い広い視点で考え、ステークホルダーと相談しながら進めるよう、心がけています。
コンシューマー用半導体から
車載半導体へ。
人命に関わる製品開発で
得た新たな価値観

私は韓国出身で、高校卒業後に政府の留学プログラムを通じて留学し、日本の大学で学部・修士課程を終えた後、韓国で半導体メーカーに就職しました。その後、再び日本に留学して博士号を取得し、2013年にトヨタへ入社しました。
トヨタを志望した理由は大きく2つありました。1つめはこれまでコンシューマー向けの半導体開発に携わってきましたが、今後さらなる成長が見込まれる車載半導体において、より深く知見を広げたいと考えたためです。2つめは半導体メーカーの立場ではなく、最終製品を扱うメーカーの立場で半導体開発に関わってみたいとも考えたからです。また、トヨタは半導体の生産ラインを自社で保有し、独自開発を行っている点にも大きな魅力を感じ、入社を決意しました。
入社後は、モーター制御装置(インバータ)の開発や電子部品の品質保証業務、SoCの先行開発など電子技術や半導体を軸にさまざまな業務を経験しました。その中で、もっとも印象に残っているのは、プリウスに搭載されたパワー制御チップの開発です。自分が開発に携わったクルマが世の中で走っている姿を見た時、エンジニアとして大きな喜びを実感しました。2020年から関わり始めたSoC開発については先行段階のため、実際の成果はこれからです。しかし、将来的には車両のさまざまな制御を担う重要な半導体となるため、ユーザーに届いた時の喜びはひとしおだと期待しています。
振り返ってみると、コンシューマー向け半導体と車載半導体では、いくつかの大きな違いがあることを実感しています。まず技術範囲の広さです。クルマにはモーター駆動用のパワー半導体から、自動運転用の情報処理半導体、各種センサーまで多様な種類の半導体が必要となります。トヨタに入社して12年、さまざまな半導体開発に携わることができ、自身の幅も広がったと感じています。
また安全・品質要件の厳しさも特徴的です。スマートフォンの半導体が壊れても画面が映らなくなる程度ですが、クルマの半導体の場合は人命に関わるため、非常に厳しい機能安全要件を満たしながら製品を開発する必要がありました。人命に関わる製品を開発する企業として、慎重に検討を重ねながら製品を作り上げていく文化に感銘を受け、エンジニアとして成長するきっかけになりました。
LEXUSからヤリス・カローラまで。
幅広い車種が教えてくれた
半導体開発の奥深さ

トヨタは「すべての人に移動の自由を」を掲げ、グローバルフルラインナップにこだわり、日々努力を続けています。半導体開発においても、LEXUSのような高級車に載る半導体だけでなく、お手頃な価格の自動車用半導体などさまざまな種類の半導体が必要になります。
LEXUSのような高級車とより手頃な価格のエントリーモデルのクルマでは、機能に差があります。たとえば、高級車ではトヨタ チームメイトアドバンストドライブのようなナビゲーションと連動して高速道路の合流や追い越し、車線変更までをシステムが支援する高度な運転支援機能が搭載されます。他の安全機能(ブラインドスポットモニター、後方車両接近告知など)とも連携し、より統合的な運転支援を提供します。このような機能を実現するためには、高性能なSoCが必要です。
それに対してヤリスやカローラなどのエントリーモデル車両では、ドライバーの操作をサポートする機能、レーダークルーズコントロールやレーントレーシングアシストは搭載されていますが、高速道路での車線変更までシステムが自律的に行うような、高度な機能は通常搭載されていません。
そうなると、SoCも必ずしも高性能である必要はありません。複雑なAI処理や高度な3Dグラフィックス表示は行わず、基本的なナビゲーションやメディア再生、車両情報の表示といった、比較的軽微なタスクを処理できれば、必要な機能は実現できます。必要な機能を最小限に絞れば、製造コストを抑えることができ、開発も比較的容易です。これにより、幅広い車種やグレードに採用しやすくなります。
一方、このようなOEMのニーズが最初から取引先さまに伝わっているかというと、必ずしもそうではありません。多くの取引先さまはそれぞれの会社が得意としている分野があり、そこから技術を展開し車載SoCを企画・開発していきます。
しかし、通常それらの車載以外のSoCは車載SoCより、要求される演算の処理量が大きいため、各SoCの車載ラインナップは、高性能なSoCに偏る傾向があります。そのためOEMはエントリーモデルの車両にも使える、より機能を絞ったSoCの具体的な要件を検討し、取引先さまに伝える必要があります。
加えて、車載SoCは前述の通り動作の正確さが人命に関わるため、そのグレードにかかわらず求められる、車載SoCに特異的な機能があります。たとえば、車載規格に対応した高い安全性と信頼性、リアルタイムな処理などです。
さらにSoCは、開発に長い時間を要します。私が所属しているチームでは、長いSoC開発のリードタイムに鑑み、グループ会社、取引先の方と連携して、これらの車載の要件を満たすSoCの企画、先行検討および検証を行い、トヨタのSDVに貢献することをめざしています。
自動車業界の変化を
先読みする技術者。
知識を吸収して戦略的思考で
挑む次世代開発

▲ともに働く半導体企画戦略室のメンバー (右から2番目が羅)
トヨタで働く中で、私は今後の展望について2つの観点から考えています。1つは仕事面での挑戦、もう1つは人材としての成長です。
現在、私はSoCの先行開発に携わっていますが、自動車業界全体を見渡すと、各メーカーがSoC開発にさまざまな戦略で取り組んでいます。たとえばとある自動車メーカーではコアとなる技術として自社でのSoC開発を進めています。こうした流れの中で、今後トヨタも自社開発が最適な選択なのかを見極めていく必要があります。メリット・デメリットを慎重に検討した上で、もし自社開発の道を選ぶことになれば、私自身もその立ち上げに貢献していきたいと考えています。
また、AIの実装技術についても新しい挑戦を始めています。これまでトヨタではAIの実装に直接携わる機会は限られていましたが、今後は自分たちの手を動かしてAIの実装に取り組んでいく予定で、現在そのためのチーム作りを進めているところです。先行開発といっても、ただ基準を検討するだけではありません。実際に手を動かして技術を創り上げていく、そんなトヨタの魅力を活かし、トヨタならではの成果を発揮できるよう邁進していきたいです。
人材面での目標についても、明確なビジョンを持っています。私の周りには、さまざまなバックグラウンドを持つ優秀なメンバーや協力会社の方々がいらっしゃいます。とくに複数の会社での経験をお持ちの方々は、私にはない貴重な知見を持っています。
たとえば、私はメモリベンダーでの開発経験を持っていますが、SoCベンダー出身の方々は実際にSoCの開発に携わってこられた経験があり、その知見には及ばない部分が多々あります。そこで私は、自身と異なる視点や経験を持つ方々からその知見を吸収し、より広い視点・高い視座で物事を考えられるエンジニアになっていきたいと思っています。
3年後、5年後のトヨタ、さらには自動車業界全体がどうなっていくのかを、できるだけ広い視野で見据えながら、技術開発を進めていきたいと考えています。そのためにも、周囲が持っている能力や知見を吸収し、自身の成長につなげていきたいです。
※ 記載内容は2025年8月時点のものです
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